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使い込むほどに満足度が増していくモノたち-日髙秀和/FRAME-

FASHION|2015.9.29 Photography:Satoru Hirayama
Text:Shizuka Koga

1999年から続く、“新しい”モノ選び

「オシャレを目指した店ではないんですよ」。そういって笑うのは、「FRAME/フレーム」のショップマネージャー・日高さん。1999年に店舗がオープンしてから16年間、ずっと同じアイテムも並んでいるという意味では、トレンドと一線を画しているような意思がうかがえる。

「FRAME」にあるのは、作り手の熱意や温もりまで感じるような、高い品質のモノ。愛着を持ってずっと長く使っていけるモノ。使い続けることで、自分にとっての価値が高まっていくモノ。それは、目まぐるしく過ぎ去るトレンドや憧れのブランドを追い続けて“オシャレ”をしてきた私たちが、近年ようやく定着させた、モノ選びの基準ではないか。

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「FRAME」の母体は、東京に本社を置く輸入代理店の「Griffin International/グリフィン インターナショナル」。百貨店やセレクトショップなどに販路を持ち、直営店は福岡・大名にある「FRAME」1店舗のみ。今回は<Crockett&Jones/クロケット&ジョーンズ><Whitehouse Cox/ホワイトハウスコックス><CANADA GOOSE/カナダグース>の3ブランドを通して、「FRAME」の魅力を探っていく。

「FRAME」らしい<Crockett&Jones>のラインナップ

<Crockett&Jones>と聞けば、スーツ、ビジネス、フォーマルといったワードが浮かぶ。ドレスシューズのイメージが強いブランドだが、ディスプレイされているのは使い込んで風合いの増したカントリーシューズ。「これもクロケット?」と、その印象が変わるような、新鮮な驚きがある。

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本国のイギリスにおいて、<Crockett&Jones>のカントリーシューズは当たり前に認知されているライン。「FRAME」立ち上げの際、こういったスタイルの靴の魅力もしっかり日本に伝えていきたいと、並べたのだという。

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DUNDEE(TAN SCOTCH GRAIN)¥90,000 ※税抜価格

雨風にも強く、ワークブーツのようにガンガンはいてもいい。しかし、無骨なだけではない。クラッシックな佇まいで、英国らしい品を感じる。「FRAME」のスタッフがこのブーツに合わせていたのは、ワークパンツとTシャツという、極めてシンプルなカジュアルスタイル。ほんのり品のある大人の洗練が漂うのは、足元が全身を凛と引き締めているからだ。
履きこむごとに風合いが増し、傷さえも味わいだと思えるブーツ。まさに愛着を持って履き続けるのに相応しい一足である。

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AUDLEY ¥89,000、MORETON(Ridgewey sole)¥80,000 ※価格はすべて税抜

もちろん、定番品もラインナップしている。「僕はここで、<Crockett&Jones>に目覚めたんですよ」とオロジオ・木村社長。価値あるモノとの出会いの場として、「FRAME」のオープン当初から通う客のひとりである。ローファーやチャッカブーツなどを色違いで揃え「ほとんど<Crockett&Jones>だけになっちゃった」と笑うほどに、惚れ込んだ。

「<Crockett&Jones>の一番の魅力は、バランスのよさです」と日髙さん。フォーマルからカントリーシューズまでラインナップする幅広さ。伝統的な技術を踏襲してしっかりと作り込みつつ、トレンドにも対応する柔軟さ。8万円前後の価格帯で、ケアをしながら何十年も履き続けられる実績と信頼、クオリティの高さがある。

<Crockett&Jones>は1879年創業という長いブランドの歴史の中でも、特に今、世界的な注目を浴びている。ファッションが成熟し、審美眼を持ったユーザーが、<Crockett&Jones>の良さを再認識しているのだろう。「FRAME」も今までの倍近いオーダーを入れて、今シーズンに臨む。

<Whitehouse Cox>が魅せる、シンボルとしてのエイジング

元々は英国で高品質な馬具などの製造をしてきた<Whitehouse Cox>。その技術力の高さから<RALPH LAUREN>などのファクトリーブランドとしても人気を博した。<Crockett&Jones>同様、質実剛健なモノづくりに徹していて、皮選びや製法に一切妥協がない。それでいて、日本からのリクエストにも応えてくれる、しなやかさがある。

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「FRAME」は、“エイジング”という言葉を1999年から提唱してきた。手にした瞬間に満足するモノであり、使い込むほどにも満足度が増していくモノ。<Whitehouse Cox>は、まさにその象徴である。ブランドコーナーのセンターには、ユーザーの手によって表情を変えたアイテムが、誇らしげに並ぶ。

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S7660 3FOLD WALLET(写真中央)/BRIDLE 2TONE ¥35,000、S8819 LONG WALLET /VINTAGE 2TONE (CONKER/NATURAL) ¥53,000、S1799 LONG WALLET /INDIVIDUAL (BLACK) ¥42,000、P1127 32mm PLAITED BELT (NEWTON/BLACK) ¥18,000 ※価格はすべて税抜

本社が日本総代理店だという強みを生かして、「FRAME」では<Whitehouse Cox>のモデルを絞り込まず、すべてのシリーズを網羅している。<Whitehouse Cox>の中だけで、自分のスタイルや性格に合わせたアイテム選びが可能なのだ。

これから迎えるギフトシーズンでも、「FRAME」のスタッフが、頼もしいサポートをしてくれる。メインスタイルはスーツなのか、カジュアルなのか。ポケットに入れるのか、バッグに入れるのか。メンテナンスを楽しみたいのか、メンテナンスフリーがいいのか。皮についた傷やシミを味とするか否か。贈る相手を語りながら選ぶギフトは、そのひとときまでも特別な時間になることだろう。

<CANADA GOOSE>というギアを、取り扱う使命

14年前に1ラックから販売を始めた<CANADA GOOSE>。ここ数年の世界的な人気で、7月にはすでに「FRAME」1Fのメインコーナーを張る。整然と並んだその様子は、ファン垂涎の光景だろう。真夏でも<CANADA GOOSE>を目当てに来る客。海外でも品薄のため、購入していく外国人。モデルや海外セレブが着用したスナップで、レディースの販売数はメンズに届き、追い越すほどの勢いだ。

そんな<CANADA GOOSE>トレンド化の波の中でも、「FRAME」には一貫しているスタンスがあった。「<CANADA GOOSE>はギアである」。

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シベリアやアラスカなどの極寒地で生活する人々のために。南極探検隊やエヴェレスト登山隊などのプロフェッショナルのために。そんな背景を持つ<CANADA GOOSE>のプロダクトは、雪の中で作業しても動きやすくてヘタらない。確かな技術力にこだわって「Made in Canada」を守り、素材自体の強さを持った、暖かすぎるほどの防寒具である。

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CITADEL (RED) ¥95000、BRONTE (EARTH) ¥86,000 ※価格はすべて税抜

街着としてはオーバースペックであるため、ダウンを適量にし、日本人向けにシルエットを抑えた。しかし、「FRAME」が大切にしているのは、その機能を欲しい人が欲しい時に購入できるようにしておくこと。「本来の目的のために使って満足してもらえたら、作り手も一層うれしいですよね」と日髙さん。<CANADA GOOSE>日本総代理店、唯一の直営店としての使命感を持つ。

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モノとともにある思いを汲む

「FRAME」に並ぶモノは、なぜか“商品”と呼びにくい。ひとつひとつの縫い目に作り手を思い、美しいシルエットに歴史を思う。そして、モノが自分の相棒となって一緒に過ごす、豊かな時間を思うからだろうか。

「結婚前に、妻がプレゼントしてくれたんです」と、<Whitehouse Cox>の財布をリペアへ出す時に、照れくさそうに話す客。<Crockett&Jones>のソールが張り替えられて戻ってきた時の、客の晴れやかな表情。<CANADA GOOSE>を探しまわって、やっと見つけたカメラマンの弾んだ声。工場まで赴き、「だたのモノ売りにならないように」と、現地の空気感までも客に伝えようとする日髙さん。

“オシャレな店ではない”という「FRAME」。ここに集う大人は、トレンドに頼らなくてもクールである。そして、自分軸で取り入れたモノを愛する、人間くささもある。

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