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BUTABARA TO THE WORLD-焼とりの八兵衛 上人橋通り店-

GOURMET|2015.3.31 Photography:Daisuke Ikeda
Text:Shizuka Koga

きれいなお姉さんは、焼とり屋のカウンターに座る

「塩焼きには、シャルドネかな」。「ピノノワールもいろんな串と合わせやすいね」。そんな会話が自然と飛び交う店がある。フレンチレストラン?それともイタリアンバル? 答えはどちらもNO。そこはれっきとした焼とり屋である。

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天神の喧騒に少しだけ背を向けるように個性的な店が建ち並ぶ、上人橋通り。ニュアンスのある布地で縫い上げた“のれん”を、静かに掲げている店がある。「焼とりの八兵衛 上人橋通り店」だ。

1983年、前原本店からそのヒストリーを綴り始め、今泉に「天神店」を出店したのが2000年。当初より、個性的かつ洒落た串メニューを披露し、焼とりとワインを合わせる現在の基礎となるようなスタイルを提唱した。「『八兵衛』の焼とりは、今までの焼とりというジャンルにおさまらないよね」。福岡の“うまいもん好き”たちが足繁く通う店として、知られるようになった。

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そして、2004年。「焼とりの八兵衛 上人橋通り店」がオープン。インテリア雑誌から抜け出たようなモダンな和空間でいただく、これまでにない焼とり屋の誕生だ。この店には陽気な「FUN」があり、おしゃれに余念がない女性たちがワイングラスを傾ける姿もよく似合う。恋人の誕生日や夫婦の記念日に席をリザーブしても喜ばれる焼とり屋。そんなポジションがいつしか完成していく。

焼とりはグリル料理。ワインと合わないわけがない

さまざまな串が並ぶ焼き台を見ながら、前述のようなワインにまつわる会話がはじける。
「豚バラとシャルドネの相性は最高。シャルドネの酸味が、動物性の脂をスパッとたち切るんです。その酸味がまたすごく上品で」。朗らかに教えてくれるのは、店主の八島且典さんだ。ただただ素直に舌と胃袋、そして感性を躍らせたい我々に、焼とりとワインのコンビネーションを楽しめる空間を提供してくれる。

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博多の焼とりは、鳥獣肉のグリル料理。それがワインに合わないわけがない。このセオリー、「焼とりの八兵衛 上人橋通り店」のオープンから10余年が過ぎた今では当然のことのように思えているのだから、この店の功績はただならぬものなのだろう。

また、接客の気持ちよさも特出したものがある。客のタイミングに合わせて過不足なく声がかかり、楽しく食べることに専念できるカウンター。オロジオの木村社長もその待遇に歓心し、上人橋通り店オープン前のシュミレーションを見学させてもらったほど。背中に目を持つつもりで、客の気配を察する。一度来店した客は気合で覚える。その心意気は、オロジオの接客方針にも影響を与えたという。

塩振りはパフォーマンス? いいえ、味のためにも

炭が朱色におこっている焼き台の向こうに、八島さんが立っている。

高々と腕を上げ、流れるようにサーッと塩を振る姿は、大胆でいて、無駄を感じさせない。嗚呼、ほれぼれ。まるで武道や歌舞伎の形のように美しい。この所作は、第一に、焼き台の前に立つ姿をいかに格好よく魅せるかというパフォーマンスである。手際よく仕事を進める職人としての艶っぽさが、炭の熱気とともに巻き起こるようだ。

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そして第二に、所作そのものが、焼きとりをおいしくしてくれる。高い位置から振りかけた塩は、均一に肉へと行き渡り、うまみを自然と引き出す。一方、ちびちびと豪快さに欠ける振り方では、塩がまばらにかかり、しょっぱい串となってしまう。「塩でもなんでも、中途半端はよくないですね」と八島さん。ちょっとした人生訓のようでもある。

備長炭をきれいに燃やす、オリジナルの空調設備

「八兵衛」は福岡スタイルの焼とり屋で、豚バラに備長炭を使用した、おそらく一番最初の店ではないだろうか。

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普通の炭火の温度は600〜700℃。それに対して備長炭は900℃にもなるそうだ。脂の多い豚バラを、炎が上がらないように焼くのはたいそう難しい。それでも備長炭の熱量をあきらめないのは、豚バラのおいしさのため、ただそれだけ。備長炭がコンディションのいい状態で燃えるためには、一般的な空調設備では足りない。大量の空気を送り込み、吸い込む。通常の3倍といわれる額を投資し、八兵衛オリジナルの空調設備を整えている。

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アルコールランプの炎で、おいしい中華料理がつくれないように、豚バラの美味しさを最大限に引き出して焼き上げる、炭火の温度というものがあるのだろう。

そんな話をしながら食べた豚バラは、みっちりと肉汁を抱え込んでいる。噛みしめれば力強いほどの旨味が広がる。木村社長にお気に入りの一品を尋ねると「そりゃあ、やっぱり豚バラでしょう!」と即答であった。

福岡スタイルの新スタンダードに熱視線

近年、東京・六本木ヒルズ、福岡・ソラリアプラザと、焼とりの世界観まで変わるような商業施設に出店をし、焼とり(それも福岡スタイル)の新・スタンダードを発信している「八兵衛」。例えばソラリアプラザの店舗では、昼から「豚バラ、鶏きも、そしてシャンパン」なんて、うらやましい限りのランチに興じる客の姿もある。それを見つめながら、丼や定食のランチを食べるビジネスマンの視線が熱いこと、熱いこと。さすが焼とり好きが多い福岡である。

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ここで、他のエリアの人々に、最初は少々不思議がられ、でも慣れてしまえばこっちの方が断然いいじゃない!と評価される、福岡スタイルの焼とりをおさらいしておこう。まずは、「焼とりなのに、豚バラが筆頭メニューであること」。そして「キャベツ」、それにかかる「酢だれ」が三本柱だ。

さあ、いよいよBUTABARA TO THE WORLD

福岡スタイルの焼とりの雄である「八兵衛」は、ブランドコンセプトを「BUTABARA TO THE WORLD」に定めたという。それは、豚バラ単品を指すだけでなく、先の三本柱をセットとした新たな福岡名物のブランディングも兼ねている。2015年中には、台湾に海外2号店をオープンさせ「BUTABARAスタイル」を海外に打ち出すプランもある。

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台北で、パリで、ニューヨークで、SUSHIでもなく、SOBAでもなく、BUTABARAを食べたいという台詞がさらりと聞こえてくる日もそう遠くはないような予感がする。

海外でBUTABARAの魅力をより饒舌に語れるようになることが、これからの福岡スタイル焼とりファンの目標だ。さて、そう決めたらさっそく一串入魂。「焼とりの八兵衛 上人橋通り店」のあの“のれん”をくぐろうではないか。

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information

焼とりの八兵衛 上人橋通り店
焼とりの八兵衛 上人橋通り店
住所:福岡市中央区警固1-4-27 KEGOエイトビル1F
電話:092-732-5379
営業時間:18:00~25:00(L.O 24:30)
店休日:なし

焼きとりの八兵衛 上人橋通り店
http://www.hachibei.com/
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