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ひとと靴の、永く美しい関係のために-STOMP-

LIFESTYLE|2016.7.4 Photography:Satoru Hirayama
Text:Satomi Nishimura

その靴らしいリペアをほどこすために「STOMP」はある

オーバーホールを繰り返しながら、機械式時計と永く付き合うように。日々のお手入れと愛のこもったリペアを重ねながら、靴とも永く付き合っていく。持ち主と靴との永く美しい関係。それをずっと紡いでいくお手伝いをしてくれる店がある。靴の修理店「STOMP/ストンプ」だ。

「STOMP」のオープンは2001年。大手修理店で靴のリペアに関わってきた大川浩二さんが、その靴にとって最高のリペアをかなえたくて、独立開業した。というのも、その当時は、ソールのラバーを張り変えるにしても「黒か茶色か」の選択肢しかなかった時代。最高峰ブランドの靴のソールを交換してほしいと頼まれても、靴に見合う高品質のパーツさえ、なかなか見つからなかった。

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「メンズの靴ももちろんですが、分かりやすい例で言えば〈CHRISTIAN LOUBOUTAIN/クリスチャン・ルブタン〉のハイヒールですね。トレードマークの真っ赤なソールが黒か茶色になるなんて…。〈CHRISTIAN LOUBOUTAIN〉のデザインが大好きで購入した持ち主の方にとって、悲しすぎませんか?」。そこで独自のルートでパーツを輸入したり、メーカーに掛け合いパーツを製造してもらったりと動き出す。

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靴の修理屋としての「STOMP」の姿勢は、当時の業界においてかなりエポックメイキングなことで、「福岡に何かおもしろいことをやってる修理屋がいるらしいよ…?」と全国各地から偵察にくる職人がいるほどだった。噂が高じて靴の専門誌まで、取材に来たという。

「STOMP」のリペアは、ただ靴の不具合をなおし、また履けるようにするのとはちょっと違う。世界各国のデザイナーや靴職人たちが、一足の靴に込めたコンセプトや機能性までを大切にしたリペアなのだ。「STOMP」のリペアがあるから、永く美しいままに靴を履ける。
靴のいのちを継続させる役目を担っているように思えた。

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福岡で靴に携わっている人々の思いも同じなのだろう。「靴を購入した時、修理するなら『STOMP』でと、ショップスタッフから教えてもらいました」と店を訪れる人も多い。

少年たちがきっと、憧れてしまう修理屋さん

「STOMP」が始まったのは、天神西通りからほど近い、大名エリアだった。入り組んだ路地や雑居ビルが多いこのエリアは、歩き始めたばかりの「STOMP」にチャンスを与えてくれる場所だった。そして人々の信頼や支持を集めて、7年後。移転を考えた大川さんが選んだのは “天神2丁目”だ。

靴職人。リペア。こだわり。個性派。そんなワードが並ぶと、奥まったアトリエでひっそりと靴に向き合うイメージだろう。だが、大川さんは「もっとカッコいい職人、カッコいい大人でありたくて!」とあえて街のど真ん中に拠点を構える。福岡・天神のそうそうたる百貨店やファッションビルと同じ場所で勝負するかと、メジャーな側へ打って出たのだ。初めて靴のリペアを体験する若者や親と一緒に来店した子どもたちも、「リペア職人って憧れるな!」と瞳を輝かせてくれるだろう。

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また、大川さんをはじめ、スタッフのみなさん全員が、ベストにエプロン姿できめている姿にも惚れ惚れする。「『STOMP』のイメージをいつも追求していたいし、僕、クラシックテイストが好きなんですよね」。大切な靴を安心して託したくなる、身だしなみだ。しかしこれは、ただお洒落を追求したスタイルでもない。「ネクタイはしたいけれど、修理マシンの回転に巻き込まれてはいけない。だからネクタイを抑えられるベストを着用しようという結論に至りました」。職人として、安全面や機能面にも最新の注意をはらう。

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手にはスカルのリング、ジャケットをはおればスリーピースのスーツ姿。「職人だからダークカラーの作業服ってルールはありませんよね」とほほえむ大川さん。「作業がていねいな職人なら、服を汚すことも少ないんですよ」と付け加えてくれた。

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その昔から、歯科技工士や三味線づくりの職人など、手を動かす仕事と縁が深かった大川さん。道具にも並々ならぬ思いを持つ。革に細かい線を型押ししていく車ゴテも、その線の幅や間隔にこだわりがあるそうで、これぞと思うものを先輩から譲り受けた。それらはカウンターに飾られているので、気になる人は見せてもらおう。

靴からはじまるファッションの提案、そして新拠点

「STOMP」は店の構造もちょっとおもしろい。ビルの入口からしばらく進んで、右側にミシンなどが並ぶ工房、そのお隣に「STOMP」がプロデュースする靴と服のセレクトショップ「HARBOURS」。そして突き当りに「STOMP」と客たちをつなぐ、靴の受け渡しカウンターと手作業中心の工房がある。

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「HARBOURS」をオープンしたのは2013年。靴からファッションを考えるという発想でスタートした、メンズ中心のセレクトショップだ。クラシカルなヨーロッパテイストの服が並ぶが、ブランドは国内、国外とくくることなく自由さを感じる。「『遊べる靴屋』でありたいんですよね」。時には「これ、誰が着るんですか~?」と客から茶化されるくらい個性的な服もあるそうだが、「STOMP」らしさにあふれていれば、臆せずに仕入れる。

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「HARBOURS」で販売している靴は、英国靴の〈Lloyd Footwear/ロイドフットウェア〉だ。履きこんだ後、ソールを張り替えてリペアできる靴のなかで「価格と品質のバランスが最高!」という視点で選んでいる。永く付き合える靴をまずは一足。そんな人にもうってつけのブランド。そのほか、「STOMP」でもいくつかの靴を販売している。オロジオ木村社長はレインシューズが気になった模様で、すかさずパシャリ。

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ちなみに、2016年は、2店舗目の「STOMP」を福岡市内につくる予定。ますます、靴と永く付き合うためのリペアが、福岡から九州にそして全国へと浸透していく。

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information

STOMP footwear councel
住所:福岡市中央区天神2-14-6 矢野ビル2F
電話:092-713-8133
営業時間:11:00~21:00
店休日:火曜日
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