2016年10月1日、土曜の夜。オロジオが「ZENITH(ゼニス)」一色となった。オロジオの木村社長とゼニスの取締役ジェネラルマネージャー高橋氏の挨拶でパーティが幕開け。来年オロジオが15周年を迎えること、2003年からゼニスの時計の取扱いを開始し、多くのお客さまにご愛顧いただいてきたことへの感謝の気持ちを述べ、乾杯となった。
実は高橋ジェネラルマネージャーはフランスから戻ったばかり。パリで行われていたモーターショーの中で、ゼニスと英国の自動車メーカー「ランドローバー社」がパートナーシップを締結したことが発表され、その場に立ち会っておられたとのこと。その世界的なコラボレーションを記念して製作された特別ウォッチ「エル・プリメロ レンジローバー スペシャルエディション」の紹介は、おそらくパリに続いて日本で初とのことで、会場は大きな歓声に包まれた。
セラミナイズドアルミニウム製のボディに、つや消しされたグレーの文字盤、ダイナミックなリズムで時を刻むムーブメント。ゼニスが誇る「エル・プリメロ」とランドローバー社を象徴するラグジュアリーSUV「レンジローバー」、両社の革新的な創作品が結びついたモデルに、誰もが釘付けとなった。
乾杯後は福岡市・南区のレストラン「ラ・カロッツァ」が用意する料理と共にお酒を楽しみながら、展示されているゼニスの時計を眺めたり、ゲスト同士が会話に花を咲かせたり、華やかな時間が流れていた。その場にはファッション誌などで見慣れたお顔も。そう、2014年のゼニスナイトにも登場いただいたファッションディレクター・スタイリストの森岡弘氏だ。今年もトークイベントに参加いただけるとあって、貴重なお話に期待が高まる。
トークの中心はもちろんファッション。以前は「着こなしの仕上げは靴」と言われていたが、靴も流行に大きく左右されるアイテムとなっている今、「最後の最後にファッションのバランスを決めるのは時計」との森岡氏の言葉に木村社長も大きく頷く。
「時計は単品でみせるものではなく、服との関係性が大切。服のテイストに合わせたり、あえて外したり、そして何より時計をつけることで仕草もシャープになりますよね」。大人のお洒落の決め手である時計は、ひとつのモノではなく、自身の一部となるべき。小さな部分で大きな印象を残す時計がいかに重要かを、森岡氏は大いに語ってくれた。
「トレンドでは売りたくない」という木村社長のスタンスも同じだ。その人のファッション、職歴、ライフスタイルなどパーソナルな部分を大事に、一人ひとりに合う時計を提案することがオロジオのスタイルだ。そんな中で手に取る機会が多いのがゼニス。「最高のムーブメントに、洗練されたデザインをまとった信頼できるブランドですね」。
森岡氏の目に止まったのは「エル・プリメロ クロノグラフ クラシック」。「ヴィンテージ感のあるシンプルな造形が魅力的です」と愛おしそうに時計を扱う仕草も印象的であった。
その後もファッション談義に盛り上がり、トークタイムは終了。ファッション界の最前線に立つ森岡氏であるが、その人となりは親しみやすく、ユーモアに溢れたトークでゲストの笑顔を誘ってくれた。壇上を降りてからも森岡氏のまわりには常に多くの人。好きな時計・ファッションの話をするゲストの声に耳を傾け、的確なアドバイスと軽妙なトークを一人ひとりと。誰もが、この貴重な時を楽しんでいたに違いない。
次に壇上は撮影会場と早変わりし、「ZENITH」と「Oro-Gio」のロゴがあしらわれたパネルの前でゼニスの時計を着けた姿をプロのカメラマンが撮影してくれるという特別企画が行われた。憧れの時計を腕にゲストも満面の笑みだ。
最後に抽選会やベストドレッサー賞の授与式もあり、充実の3時間はあっという間に過ぎていった。ゼニスの時計の魅力だけでなく、ご来場いただいたゲストの方々のファッション感度、センスの高さを認識し、福岡の街の輝きの一部を垣間見た気がする。