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atelier de florentina フロランタン-東京・谷中-

LIFESTYLE|2015.9.29 Photography:Satoru Hirayama
Text:Satomi Nishimura

谷根千(やねせん)に、こんがり焼菓子の香り

東京は、文京区から台東区にまたがる一帯。谷中・根津・千駄木あたりの下町をくくって“谷根千(やねせん)”と人々は呼ぶ。都心にありながら、昔ながらの商店街が残り、ゆるやかな雰囲気が漂うこのエリア。あちこちにお寺があり、しっとりとした情緒に満ちている。粋な大人が集うのにちょうどいい。その一方、江戸っ子の人情も程よく残り、まちに暮らす人同士の距離も近い。

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そんな谷根千の中心でもある、谷中銀座商店街に、フロランタン専門店「atelier de florentina(アトリエ ド フロレンティーナ)」が、のれんを掲げている。

フランス生まれの焼菓子・フロランタンに「“のれん”なの?」と思われた方もいるだろう。しかし、これは言葉あそびではなく、本当の話。「atelier de florentina」のビジュアルコンセプトは、シンプルな和スタイルなのだ。

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その魅力あるギャップは、アニバーサリーギフトや、ふとした時の手土産にもこだわりたい方にもぴったり。和スタイルについては、後ほど詳しくご紹介するとして、まずはこの店の主役である、フロランタンの秘密を綴りたい。

サクサク層×カリカリ層のコンビネーションに惹かれる

フロランタンというお菓子は「フィレンツェの」という意味を持つ。

フィレンツェ・メディチ家のお姫さまが、フランスの王様に嫁ぐ時、そのレシピをパリに伝えたという、ロマンチックなエピソードがある焼菓子だ。

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特長としては、サクサクのクッキー生地(下)、ナッツなどをコーティングしたカリカリのヌガー(上)の2層に分かれていること。「atelier de florentina」を営む梶原 誠さん・美穂子さんご夫妻は、この形態に大きな可能性を感じた。

「サクサクとカリカリの組み合わせで、いろんなフレーバーを表現できるのがおもしろいな、と思ったんですよ」とは、妻の美穂子さん。

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バターとアーモンドが香る「プレーン」だけでなく、ココア生地×ヘーゼルナッツの「ココア&ヘーゼル(写真左下)」、チョコレート生地×オレンジピールの「オランジェ」など、今まで味わったことのないフロランタンの世界が広がる。ほかにも「焼きリンゴ」「エスプレッソ」「アールグレイ」など、開発後、人気フレーバーになったものも定番として並ぶ。

春夏秋冬、「ゆず」「さくら」「夏塩」「かぼちゃ(写真右下)」など、季節のフレーバーも加わり、客たちを楽しませている。

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「僕がいちばん好きなのは『そばの実&黒ごま(写真下)』ですね」と誠さん。黒糖をつかった和テイスト、そして控えめな甘味、軽い食感は、フロランタンを“和スイーツ”に変える。

「atelier de florentina」のフロランタンは、女性だけでなく男性も食べやすい味わい。ぶらりと“谷根千”を訪れた外国人観光客から、近所のお年寄りにまで人気があるそうだ。

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また焼菓子であるフロランタンは、日持ちがするので、おみやげにも適している。すぐに手渡せなくても心配ないし、なにより軽いので持ち歩くのに負担にならない。そんなところにも外国人観光客が「いいね」と思う、理由があるのだろう。

ゆるやかな谷中に住まい、店主への道をあゆむ

パティシエであるのは、妻の美穂子さんだ。

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シカゴに暮らしていた時も、お菓子のケータリングを手がけ、アメリカの甘いお菓子をどうしても重たく感じてしまう日本人の間にクチコミで広がっていった。そのおいしさは、ヘルシー志向が高まった現地の人々の間にも伝わり、人気を呼ぶ。

誠さんと結婚して、谷中に移り住んだ後、谷中が大好きになるにつれて「このまちでお菓子の店をはじめたい」との思いが強くなる。美穂子さんが、店を構え、営むのは初めてのこと。手探りで準備を進めながら、2010年2月、第1店舗目を谷中の住宅街の一角にある「へび道」にオープン。2013年10月には、谷中銀座商店街へお引っ越しした。

「谷中という街に出会って、このゆるやかな空気感を好きになって、ここでならお店ができるかもと思ったんです」と美穂子さん。まちがその気にさせた。まちとの出会いがあってこその、スタートだった。

ふたりの家紋のロゴマークと、桐箱のパッケージ

「atelier de florentina」の魅力は、フランス菓子と和のビジュアルコンセプトのギャップにもある。これらを考案したのは、夫の誠さん。もともとシンプルなデザインが好きだったし、谷中という土地に似あう店づくりをしたかった。また桐箱のギフトパッケージは、ちゃんとした席にも映える一方、外国人には“和”の付加価値をつけられると考えた。

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そして、のれんに記したロゴマークは、夫妻の実家の家紋「桔梗(ききょう)」と「雪輪」を組み合わせたもの。ロゴマークを考案する時、誠さんが発想し、試しにデザインしてみたところピタリとはまった。

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「妻がレシピを考え、僕がお店のコンセプトづくりや広報を担当しています」。夫婦の得意分野で役割分担するそのスタイルが功を奏し、最近は百貨店の催事やギフトオーダーの声がかかる。欧州のラグジュアリーブランドからも「顧客へのプレゼントをつくってほしい」と頼まれた。日本人が考案したフロランタンが、本場・フランスのブランドからオーダーされるとは、おもしろく、うれしい巡り合わせだ。

「atelier de florentina」のフロランタンは、厳選された素材を用い、すべて誠さん・美穂子さんの手によって焼き上げられる。大人はもちろん、子どもに安心して食べさせられるお菓子であることは、パッケージに記された原材料名を見れば一目瞭然。子育て世代からも人気が高い。

さて、以前は時計業界で活躍していた誠さん。オロジオ・木村社長との親交も深く、親戚のようなおつき合いが続いている。時計の趣味もこの通り。

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「好きなまちで、店を営めるって、しあわせですね」と美穂子さん。いつかは、谷中と同じく好きなまち、代々木上原や銀座に第2店舗目ができているかもしれない。

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information

atelier de florentina フロランタン
atelier de florentina
住所:東京都台東区谷中3-12-1(谷中銀座商店街内)
電話:03-5834-8981
営業時間:11:00~18:00
定休日:不定休(お休みのnewsはfacebookにて)

atelier de florentina フロランタン
http://www.atelierdeflorentina.com
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