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2015 バーゼルワールド-Oro-Gio 代表取締役社長 木村 喜久・永尾 知己の現地レポート-

WATCH|2015.4.30 Photography:Tomoki Nagao(Oro-Gio)
Text:Shizuka Koga

そのルーツは1917年まで遡る。100年近くの歴史を持つ世界最大の時計・宝飾見本市のバーゼルワールド。今年も3/19 thu.~3/26 thu.の8日間に渡って開催された。出展数はおよそ2,100社、会場の総面積は16万㎡。招待客のみが入場を許されるジュネーブサロンとは異なり、一般にも公開されているため、来場者は10万人を超える。バーゼルの街全体が賑わう、世界的な大イベントだ。オロジオからは、26年間通い続けている木村社長と、永尾ブランドマネージャーが参加した。

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車窓から望む、歴史ある街並みと豊かな自然。スイス第3の都市・バーゼルへ

時計ファンでなければ、なかなか聞きなれないスイスの都市・バーゼル。しかし、スイスで最古の大学が創立された地であり、市民によって建てられたヨーロッパ初の美術館があるなど、学芸や文化の中心である。地理的には、ドイツとフランスの国境に面しているため、国際的な会議も多い。

バーゼルにあるホテルは世界中から集う人々で毎年満員御礼。なので、木村社長と永尾マネージャーは、スイスの首都・ベルンから電車に乗って参戦する。歴史的な建造物が立ち並ぶ街並み、丘陵や森林、山岳など、美しい景観を車窓から堪能する“通勤時間”は、木村社長の楽しみのひとつだ。

会場内にはスイス人であろうか、家族連れの姿もある。バーゼルワールドの世界観を幼少期から目の当たりにできるとは、羨ましい。「時計を愛する土壌は、こうやって育まれるんですね」と、木村社長。

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イベントとビジネス。その境界線は、カウンターにあり

イベントとして浮足立つ会場内の雰囲気も、各ブランドのカウンターの手前までという。カウンターの奥に進めば、販売店がこの1年間の業績をかけて商談するビジネスの場となっている。オロジオは〈ZENITH〉や〈BREITLING〉など全10ブランドとの商談を、1時間刻みのスケジュールで巡る。
バーゼルワールドとジュネーブサロンで、1年間のほとんどすべての買い付けを行うオロジオ。さぞかし緊張の連続かと思いきや「商品はしっかりと見ていますが、心に余裕を持って臨んでいます」。そんな木村社長のリラックスした心持ちが、よい商談に繋げる秘訣なのかもしれない。

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時計業界の大きな流れとしては、「ジュネーブサロンと同様、クラシック回帰への傾向があります」と木村社長。ここ数年は、各ブランドともに、新作モデルや新たな機能を次々と発表してきたのだが、今回は原点に戻り、安定感のあるものが揃った。
「〈ZENITH〉の150周年や、〈Bell&Ross〉B01モデルの10周年、〈EDOX〉クラスワンモデルの10周年でクロノオフショア1への名称変更など節目が重なり、限定モデルも多く目に留まりましたね」と、永尾マネージャーが続ける。

高いアベレージとスイス通いで、希少な限定モデルも首尾よく獲得

そんな中で、永尾マネージャーが特に目を引いたモデルは、〈Bell&Ross〉のX1。昨年の発表から引き続いて、第2弾となるモデルだ。

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「素材はカーボンです。分厚く、ケース径は45mmとビックフェイスですが、しっくりと手首に馴染みます。もちろん、最新のムーブメントを使っていて、デザイン的にも秀逸ですね」。
250本限定で、日本に入るのは3~4本ほど。その中の1本は、オロジオにやってくる。限定品を手に入るためには、販売実績など一定のアベレージの他に、バーゼルへの参加も条件となる。「毎年スイスにやってくるメリットでもあります」と、木村社長。定番モデルを大切にしているオロジオだが、狙いを定めた限定品も取りこぼさない。

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新作時計の発表のタイミングは、バーゼルワールド開催と同時である。バーゼルワールドの公式ホームページがオープンとなった瞬間、各ブランドの新作時計もいっせいにホームページ上でお披露目される。

熱狂的な時計ファンは、そのホームページを見て最新の限定品をチェックするため、オロジオにもさっそく注文が入るという。商談も始まっていないのに、だ。まだ実物を見てもいない時計への発注は、「ここの時計ならば、間違いないであろう」というブランドへの信頼。そして、「この店ならば買い付けてきてくれるだろう」という、オロジオへの信頼だ。バーゼルワールドで購入したものは、夏を目処に順次入荷してくる。

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木村社長にとって意外だったのは、今回、〈Apple Watch〉を意識したコンセプトモデルを目にしたことだ。

クオーツ式と機械式時計では、それぞれに違ったベクトルの素晴らしさがある。それは、時計愛用者ならば同様に理解していると、オロジオのカウンターで木村社長は感じている。
職人の手によって、何百という精巧なパーツを連動させ、動力を生み出す。まるで無機物が有機物になるかのように魂が吹き込まれた機械式時計は、時刻を知る以上の価値を感じるもの。
過去に、〈SEIKO〉が発表したクオーツ式腕時計が台頭し、その余波で打撃を受けたブランドも決して少なくない。〈Apple Watch〉の動向を注視しているのは、その記憶からであろうか。しかし、時計文化が成熟している現代においては、杞憂だと木村社長は読む。

ドラッグクイーンが誘う、サプライズパーティー

会場を出ると、金髪でケバケバしい化粧で着飾ったドラッグクイーンに呼び止められた。パーティーへのお誘いである。「身長が2m近くもあったので、迫力がありました」と木村社長は笑ってその時の様子を振り返る。〈BREITLING〉からのサプライズだ。

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パーティー会場に移動すると、そこはまるでタイのバンコク。1Fに立ち並ぶ屋台で好きな料理を手に入れて、2Fで食す。その後、ダンスやショーなどが繰り広げられた。

フォンデュにバリエーション。スイスのグルメ事情

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ジュネーブサロンで振る舞われたように、この地域の人々にとって、春一番のごちそうはホワイトアスパラ。直径3センチほどの大きなアスパラをボイルして、レモン風味のオランデーズソースやマヨネーズとともに、シンプルに食す。このシーズンしか手に入らないので冷凍保存し、1年を通して少しずつ楽しむのだとか。
スイス版のしゃぶしゃぶともいうべき、「フォンデュ・シノワーズ」も、木村社長は必ず注文するそう。ブイヨンスープの中に薄く切った肉をくぐらせる。そこへ、マスタードやスパイス、ソースなど10種類ほどのフレーバーの中から、好みのものをトッピングする。

次回のバカンスは、3月のスイスも選択肢に入れてみてはいかがだろう。バーゼルワールドで時計やジュエリーの世界観を堪能でき、本場のホワイトアスパラや、フォンデュ料理にありつける。

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information

Oro-Gio 代表取締役社長 木村 喜久
2002年3月。福岡・大名ー天神のメインストリートとも言える国体道路沿線のビルに『Oro-Gio』をオープン。チーム Oro-Gioとしての強さと絆に自信と誇りを抱きながら、お客様へ最高のサービスを提供するための取り組みに日々励んでいる。

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